| ID番号 | : | 00288 |
| 事件名 | : | 地位保全仮処分申請控訴事件 |
| いわゆる事件名 | : | 龍角散事件 |
| 争点 | : | |
| 事案概要 | : | 職務内容の変更を伴う配転命令の拒否を理由に、就業規則に基づき懲戒解雇された従業員が、地位保全、賃金仮払の仮処分を申請した事例。(一審 申請棄却、当審 控訴棄却) |
| 参照法条 | : | 労働基準法2章 |
| 体系項目 | : | 配転・出向・転籍・派遣 / 配転命令の根拠 |
| 裁判年月日 | : | 1975年12月22日 |
| 裁判所名 | : | 東京高 |
| 裁判形式 | : | 判決 |
| 事件番号 | : | 昭和47年 (ネ) 1283 |
| 裁判結果 | : | 棄却 新請求棄却 |
| 出典 | : | 時報811号108頁 |
| 審級関係 | : | 一審/東京地/昭47. 5.16/昭和46年(ヨ)2269号 |
| 評釈論文 | : | |
| 判決理由 | : | 「控訴人の所属していた製造部製造二課第一係では従来から痰、咳用の薬剤であるAと顆粒状のBの製剤を担当していたところ、昭和四五年の販売計画の予定として会社は金一六億六、三〇〇万円を見込んでいたにかかわらず、年度なかばに至るも容易に売上高が伸びず、在庫が大量的に蓄積の一途をたどるに至った。かかる販売不振の原因は薬剤の効用に対する社会一般の関心の変化と大手問屋筋の倒産等に伴う販路縮少等の事情にあると推測されたが、かかる事態を迎えた会社としては同年一〇月頃から右製剤の販売計画の大幅修正を余儀なくされ、会社の営業部、製造部等の間で種種検討を加えた末、AおよびBにつき大幅な生産削減を断行しその操業短縮をはかる必要があるとの結論に達し、そのため右製剤を担当する製造部製造二課第一係の人員一五名中四名の減員をはからざるを得ないこととなり、右四名の人選とその配置替えにつき会社の他部門からの増員要求と本人の適性等を勘案して検討を遂げた結果、製造部製造二課第一係の河戸桂子が製造一課第二係に、高橋紀隆がイートラス事業部に、渡辺博が製造部資材課に、控訴人が製造一課製剤研究係に、それぞれの適性が認められて配転されることとなったものであり、しかも控訴人を配置すべき右製剤研究係は将来会社の製剤技術要員としての成長を期する従業員にとっては前途ある魅力的職場である。」ことがうかがわれ、その他右配転に関する人選等につき原審が認定した諸般の事実を総合勘案すれば本件配転が恣意的で合理性を欠くものとはとうてい認めることはできない。 |