全 情 報

ID番号 00708
事件名 解雇無効確認請求控訴事件
いわゆる事件名 大平製紙事件
争点
事案概要  技術指導・研究に従事する従業員が職務上なした発明についての特許を受ける権利の帰属について使用者と意見が対立した結果としてなされた解雇に対して解雇無効確認請求をしたところ棄却されたため控訴した事例。(控訴認容)
参照法条 労働基準法20条,89条1項3号
民法627条
体系項目 解雇(民事) / 解雇事由 / 就業規則所定の解雇事由の意義
裁判年月日 1960年2月10日
裁判所名 東京高
裁判形式 判決
事件番号 昭和34年 (ネ) 1725 
裁判結果
出典 労働民例集11巻1号104頁
審級関係
評釈論文
判決理由  而して、右甲第六号証によれば、その第一八条に「従業員は左の一に該当するときは、一ケ月前に予告するか又は一ケ月分の平均賃金を支給して解雇する。但し、予告期間は一日について平均賃金を支払った場合、その日数を短縮することができる。一、精神病又は不具廃疾により職務をとるに堪えられなくなったとき。二、事業の整備縮少その他の事情により止むを得ず人員整理の必要を生じたるとき。但しこの場合は左の順位による。
 1、退職希望者、2、勤務成績不良なる者、3、新任順位。三、勤務成績著しく悪く改悛の見込みがないと認めた場合。四、技能劣悪の者。五、その他前各号に準ずる場合」の条項がある。右条項は、労働基準法第二〇条第一項所定の解雇予告をする場合、または解雇予告手当を提供して解雇をする場合につき解雇事由を限定するために設けられた趣旨のものであると解すべきであるから、被控訴会社は解雇につき右条項の制約を受くべきことはいうまでもなく、右事由がないのに解雇することは許されないものといわなければならない。