全 情 報

ID番号 00731
事件名 雇用存続確認請求事件
いわゆる事件名 東京西部建設労働組合事件
争点
事案概要  労働組合の書記局に雇用される書記が、欠勤、遅刻が多い、業務に不熱心であるばかりか妨げとなる等を理由に解雇されたことに対し、右解雇は権利の濫用である等として雇用関係存続の確認と賃金の支払を求めた事例。(棄却)
参照法条 労働基準法36条
民法1条3項
体系項目 解雇(民事) / 解雇事由 / 勤務成績不良・勤務態度
労働時間(民事) / 時間外・休日労働 / 時間外・休日労働の義務
裁判年月日 1966年7月9日
裁判所名 東京地
裁判形式 判決
事件番号 昭和39年 (ワ) 8912 
裁判結果
出典 時報456号80頁
審級関係
評釈論文
判決理由  〔労働時間―時間外・休日労働―時間外・休日労働の義務〕
 (ロ)証人A、Bの証言によれば、原告は残業、休日出勤を命じられてもしばしばこれに応じなかったことが認められるが、被告組合書記局には労働基準法が適用されるところ(同法第八条第一七号、同法施行規則第一条参照)、原告が残業、休日出勤すべき根拠についてはこれを認めるべき証拠はないから、残業、休日出勤命令拒否を理由に原告を解雇することは許されないというべきである。
 〔解雇―解雇事由―勤務成績不良・勤務態度〕
 右認定によれば、原告は他の書記に比較して欠勤が多いといわなければならないが、証人Aの証言、原告本人尋問の結果によれば、三月一二日は引越しのため、同月二三、二五、二六日の欠勤は病気または私鉄ストに因るものであってやむを得ないものであり、しかもこれらの欠勤については事前または事後にその都度書記局に届け出ていることが認められるから、原告の三月中の欠勤を解雇の理由とすることは無理であり、また二月中の欠勤、遅刻だけでは特別の事情がない限り解雇すべき必要があったとは到底いうことができず、他に原告が遅刻、欠勤した事実についての証明はない。