全 情 報

ID番号 01492
事件名 仮処分申請事件
いわゆる事件名 都タクシー事件
争点
事案概要  勤務時間制に関する就業規則の定めを変更して、新たな勤務時間制が採られたので、タクシー運転手らが、会社は申請人らに対し新制度に基づく労働をさせてはならない旨の仮処分を申請した事例。(申請却下)
参照法条 労働基準法89条,93条
体系項目 就業規則(民事) / 就業規則の一方的不利益変更 / 労働時間・休日
裁判年月日 1972年4月7日
裁判所名 新潟地
裁判形式 判決
事件番号 昭和46年 (ヨ) 20 
裁判結果 却下
出典 労経速報779号8頁
審級関係
評釈論文
判決理由  就業規則の変更は、これによって労働者の既得の権利を奪い、労働者に不利益な労働条件を一方的に課することがなく、その内容が合理的なものであるかぎり、個々の労働者が変更に同意しなくても、これらの労働者に対し効力を有するものと解すべきである(最高裁判所昭和四三年一二月二五日大法廷判決民集二二巻一三号三、四五九頁参照)。
 以上の事実よりすれば、旧ダイヤから新ダイヤへの移行は二・九達の実質化を図るものであり、新潟市内ではほとんどの会社が新ダイヤの基礎となっているモデルを基準とした隔日勤務制に移行して現在に至っている。また、労働時間、賃金との関連においても、新ダイヤが旧ダイヤに比較して、債権者ら労働者にとって特に有利であるとはいえないとしても、不利益であるとは認めることはできず、以上によれば、新ダイヤへの就業規則への変更は合理的なものであるということができる。