全 情 報

ID番号 01696
事件名 仮処分抗告申立事件
いわゆる事件名 京阪神急行事件
争点
事案概要  大学卒と詐って入社し、正しい履歴書の提出を要求した人事課長に暴行脅迫したことを理由に懲戒処分として諭旨解雇された労働者が地位保全の仮処分を申請したところ棄却され、抗告申立をした事例。(抗告棄却)
参照法条 労働基準法89条1項9号
体系項目 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 経歴詐称
裁判年月日 1959年1月31日
裁判所名 大阪高
裁判形式 決定
事件番号 昭和31年 (ラ) 130 
裁判結果
出典 労働民例集10巻1号1頁
審級関係
評釈論文
判決理由  右事実によると、抗告人の前示履歴詐称は就業規則九八条二号イの「事情が悪質の場合」にあたらないけれども、重要な履歴を詐って入社したものであって、その後A人事課長から正しい履歴書を提出することを要求されたにかかわらずこれに応ぜず人事課長の席でAに対し暴行脅迫に及んだものであるから、抗告人の暴行脅迫は就業規則九八条一〇号イ但書にいわゆる事情の重い場合にあたるものといわなければならない。
 そうすると、本件解雇の事由として相手方の主張する事実の内、履歴詐称の点は諭旨解雇としての解雇事由とすることはできないけれども、暴行脅迫による服務規律違反の点は諭旨解雇としての解雇事由となり得るものであるから、本件解雇は相当であり、解雇の手続にも違法の点はない。