全 情 報

ID番号 03125
事件名 地位保全等仮処分申請事件
いわゆる事件名 梅本興業事件
争点
事案概要  ゴルフ場キャディーに対する無断欠勤、同僚とのけんか、会社施設の不当使用、管理職自宅周辺での組合ビラの貼布等を理由とする懲戒解雇につき、解雇権濫用ないし不当労働行為として無効とされた事例。
参照法条 労働基準法89条1項9号
民法1条3項
体系項目 解雇(民事) / 解雇事由 / 無届欠勤・長期欠勤・事情を明らかにしない欠勤
解雇(民事) / 解雇事由 / 暴力・暴行・暴言
裁判年月日 1984年7月13日
裁判所名 福岡地小倉支
裁判形式 決定
事件番号 昭和59年 (ヨ) 24 
裁判結果 一部認容
出典 タイムズ544号227頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔解雇-解雇事由-無届欠勤〕
〔解雇-解雇事由-暴力・暴行〕
 以上1ないし7認定の事実及び前示当事者間に争いがない事実に本件審尋の全趣旨を総合すれば、昭和五八年一二月一六日の本件予告解雇に至る債権者の各所為には就業規則五二条所定の懲戒事由に該当する事実がない訳ではなく、その情状についても特に6において悪質なものがあることを容易に窺うことができるのであるが、同時に、債務者の労務政策宜しきを得れば、企業秩序紊乱の問題に至るまでもなく解決できる些細な事柄も多いことが認められるのであって、右は本件予告解雇の真意が、全日自労建設一般労働組合に対する過敏な嫌悪感に根ざすものであることを推知させるものである。確かに前示6にみられるように、債権者を分会長とするA労働組合福岡県本部の組合活動は過激であって不当であることを否定できないのであるが、さればといって直ちにその組合員に対し解雇処分をもって臨むことは経営者の労務政策のあるべき姿からして許されないのであって、経営者としては具体的事情に応じて臨機応変に且つ原則的には順序を追って適正な対応を講ずるべきである。
 右の観点から本件予告解雇をみれば、債権者の所為には懲戒事由該当性はあるものの、これを理由として解雇することは未だ許されず、本件予告解雇は結局解雇権の濫用ないし不当労働行為として無効であるという外はない。