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ID番号 04117
事件名 降任処分取消請求事件
いわゆる事件名 足寄郡陸別町長事件
争点
事案概要  町役場の管財課長の職にあった者が参事に命じられたことにつき降任処分であるとして争った事例。
参照法条 地方公務員法27条2項
体系項目 労働契約(民事) / 人事権 / 降格
裁判年月日 1985年6月11日
裁判所名 釧路地
裁判形式 判決
事件番号 昭和58年 (行ウ) 5 
裁判結果 確定
出典 行裁例集36巻6号805頁
審級関係
評釈論文 杉原弘修・自治研究63巻1号121~128頁1987年1月
判決理由 〔労働契約-人事権-降格〕
 降任とは、俸給表における職務の等級の降ること及び俸給表の上では職務の等級が降らないときには職制上、上下の別が判定される上位の職から下位の職に降ることをいうと解するが、後者の場合その判定に際しては、主として法令、条例、規則、その他の規定によつてその職が行政組織上どのように位置づけられているかの観点からみて、行なうのが相当である。
 (中略)
 陸別町役場においては、係長以下の者に対する十勝管内の出張命令及び時間外勤務命令並びに係長以下の者の年次休暇申請に対する承認は、いずれも課長の専決事項であるが、参事職が新設されて以降、参事に対する右各命令、承認は、参事が課長相当職であることから、課長に対する場合と同様に助役が行つてこれを処理していた。
 以上の事実が認められ、右認定を覆すに足りる証拠はない。
 3 以上認定した事実、就中、参事の給料表上の等級は課長と同じく一等級であるうえ、本件要綱上も参事は課長相当職である旨定められていること、更に、出張等において上司の命令、承認が必要となる場合には、課長ではなく助役が命令、承認を行つていたとの事実等に照らせば、今回新設された参事の職は、職制上、課長の職と同等の職であるものと認めるのが相当であるから、本件処分が降任処分であるとの原告の主張は採用し難いものといわざるを得ない。