全 情 報

ID番号 04501
事件名 免雇処分取消請求事件
いわゆる事件名 国鉄盛岡管理部事件
争点
事案概要  国鉄職員が鉄道業務の円満な運営を阻害する目的で職場離脱をしたとして懲戒免職とされ、その効力を争った事例。
参照法条 労働関係調整法37条
日本国有鉄道職員服務規程7条
体系項目 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 職場離脱
裁判年月日 1952年3月17日
裁判所名 盛岡地
裁判形式 決定
事件番号 昭和24年 (行) 38 
裁判結果 棄却
出典 労働民例集3巻2号151頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-職場離脱〕
 昭和二十三年八月北海道新得機関区の国有鉄道職員が公務員法実施反対、芦田反動内閣打倒のスローガンを掲げ、いわゆる職場離脱をしたのに端を発し、北海道各地及び東北各地の国有鉄道職員にもこれに同調する者続出するに至つたので仙台鉄道局長、盛岡管理部長は原告等に対し、正当の理由なく所属上長の就業命令に反して右に同調し職場離脱をするにおいては懲戒解職すべきことを警告し、且つ所属上長をして口頭を以て右の旨並に国有鉄道の職員は公器の運営に従事するものであるから、国民全体の奉仕者として職務に忠勤する様再三訓示さしてきたのであるが、原告等は同月二十六日頃前示北海道新得機関区の職場離脱者の来訪を受けてその誘導により、相謀り前示職場離脱に同調することを決し、当時原告等は労働関係調整法第三十七条に基き労働争議権を取得していないにも拘らず被告主張の一乃至八のとおりそれぞれ無断欠勤し、且つ所属上長の就業命令に反して出勤しないのみならず、その行方をも知らせなかつたことを認めるに十分である。してみると原告等の右行為は国有鉄道服務規程(成立に争のない乙第五号証)第七条の「職員は濫りに欠勤…………し、又は所属上長の許可なくして職務上の居住地……………を離れる…………を得ず」の規定に違反し、国有鉄道懲戒規程(成立に争のない乙第二号証)第二条第三号の「上官の命令に反抗し又は之に服従せざるとき」同第五号の「故なく職域を離れ又は職務に就かざるとき」に該当すること明かであつて、しかも原告等は当時前示のように、それぞれ機関士、機関助士として列車に乗務すべき職責を有し又は右に密接な関係ある重要職責を有していたのであるに拘らず、右認定のとおり通謀して無断欠勤して行方をも不明にしていたのであるから、原告等を解職処分にしたのは少しも違法ではない。