全 情 報

ID番号 04750
事件名 減額賃金等支払請求事件
いわゆる事件名 国鉄長崎保線区事件
争点
事案概要  国鉄保線管理係であった者が「国鉄原爆慰霊祭」参加を目的とする年休の請求をしたところ業務の正常な運営を阻害するとして時季変更権の行使がなされたため、右時季変更権行使を違法とし賃金カット分の支払いと不法行為を理由とする損害賠償が請求された事例。
参照法条 労働基準法39条4項
体系項目 年休(民事) / 時季変更権
裁判年月日 1989年4月28日
裁判所名 長崎地
裁判形式 判決
事件番号 昭和60年 (ワ) 582 
裁判結果 一部認容
出典 労働判例539号17頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔年休-時季変更権〕
 1 使用者が時季変更権を行使して時季指定による年休の成立を阻止するためには、昭和六二年法律第九九号による改正前の労働基準法三九条三項但書所定の「事業の正常な運営を妨げる」事由が客観的に存在することが必要であるが、「事業の正常な運営を妨げる場合」か否かの判断は、年休を請求している当該労働者が所属する事業場を基準として、その事業場の規模や業務内容、当該労働者の事業場における配置、その担当する職務の内容や性質、その職務の繁閑、代行者の確保の難易、使用者がなすべき配慮義務の履行の程度等諸般の事情を考慮して、年休の制度趣旨に反しないように客観的、合理的に判断すべきである。
 〔中略〕
 以上のとおり、原告らが所属する長崎保線区における規模や業務内容、原告らの長崎保線区における配置、その担当する職務の内容や性質、その作業の繁閑、その職務の代行者の確保の難易、使用者がなすべき配慮措置の有無等の諸事情を考慮しても、原告らの計画年休や自由年休の取得が客観的に「事業の正常な運営を妨げる場合」に該当するとはいえないので、その余の点について判断するまでもなく、被告Yの本件時季変更権の行使は違法・無効というべきである。