全 情 報

ID番号 06363
事件名 賃金請求事件
いわゆる事件名 エグゼ事件
争点
事案概要  訴外病院で医療情報に関するコンピューターシステムの開発に従事する目的で、契約社員として採用された者が、右契約は雇用契約であるとして未払い賃金を請求した事例。
参照法条 労働基準法2章
民法623条
体系項目 労基法の基本原則(民事) / 労働者 / 派遣労働者・社外工
労働契約(民事) / 成立
裁判年月日 1994年5月9日
裁判所名 東京地
裁判形式 判決
事件番号 平成5年 (ワ) 18618 
裁判結果 認容,一部棄却
出典 労働判例659号64頁/労経速報1585号19頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔労基法の基本原則-労働者-派遣労働者・社外工〕
〔労働契約-成立〕
 原告の供述によると、原告は、被告から約定どおりの給与が支給されるものと期待していたところ、この支給が全くされなかったので、同年三月一〇日ころ、A社長に右支給を督促したところ、同社長から資金繰りの悪化を理由に延期の申し出でを受け、同月一八日、被告から(証拠略)の送付を受け、この送付書面の表題が「受託業務に関する外注基本契約」と記載されていたので不審に思い、そのころ、被告に説明を求めたが納得がいかなかったのでそのまま放置していたところ、被告から右の契約書が返送されないと給与の振込みができない旨述べられたので、生活するのが困難な状況となっていたこともあって、(証拠略)に署名捺印して返送したこと、この返送をした後の同年四月六日、原告は被告から二一万円の振込みを受けたことを認めることができる。
 右認定事実によると、(証拠略)は、原告と被告との間の契約関係につき真実を記載した書面ということはできず、A社長の右供述も前掲証拠と対比してにわかには信用することができない。
 そこで、右認定事実によると、原告と被告との間で締結された契約は原告が主張するとおりの雇用契約であるということができる。