全 情 報

ID番号 06503
事件名 損害賠償請求事件
いわゆる事件名 浜岳製作所事件
争点
事案概要  プレス作業をしていたときに上金型を装着したスライドが突然落下して頭蓋骨骨折等の傷害を負った労働者が、会社の安全配慮義務違反を理由として損害賠償を請求した事例。
参照法条 民法415条
体系項目 労働契約(民事) / 労働契約上の権利義務 / 安全配慮(保護)義務・使用者の責任
裁判年月日 1995年2月23日
裁判所名 横浜地
裁判形式 判決
事件番号 平成4年 (ワ) 1480 
裁判結果 棄却
出典 労働判例676号71頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔労働契約-労働契約上の権利義務-安全配慮(保護)義務・使用者の責任〕
三 原告は、本件事故は、右作業の過程で、本件機械の整備点検不良によるスライドの「二度落ち」によって生じたものであると主張するが、その事実を認めるに足りる証拠はない。むしろ、(人証略)により成立が認められる(証拠略)、同証人の証言と被告会社代表者尋問の結果によれば、被告会社は、本件事故直後に、この種の機械の点検整備業者の株式会社Aに対し、本件機械に「二度落ち」するような欠陥があるかについて検査を依頼し、同月二五日、同会社から、異常がない旨の検査結果の報告を受けていることが認められる。したがって、本件事故がスライドの「二度落ち」によるものと認めることはできないから、「二度落ち」によることを前提とする安全配慮義務違反及び過失の主張は理由がない。〔中略〕
 被告会社に安全配慮義務違反や過失があるかどうかは、事故の態様との関係で論じられるべきものであるから、事故の態様が明らかにならない以上、抽象的に被告会社の安全配慮義務違反又は過失の有無を判断することはできない。したがって、「はしご」に外国人従業員が触れたこと又は原告とかかわりなく何かの拍子に何かの物が触れたことを前提とする安全配慮義務違反及び過失の主張は理由がない。〔中略〕
 本件事故当日の朝、光電管が作動していたことは先に認定したとおりであるところ、その後に被告会社又は第三者がその電源スイッチを切ったことは窺えないから、その電源スイッチは原告自身が切ったのではないかと思われるのである。そうすると、被告会社が光電管の電源スイッチを切ったことが安全配慮義務に違反するものであり、又は過失に当たるものであるとの主張は理由がなく、また、光電管の電源スイッチが当日のどの時期に切られたのかを確定することができないから、被告会社において、本件事故時に原告が光電管を作動させずに作業をしていたことを知らなかったとしても、そのことが安全配慮義務に違反するものであり、又は過失であるということもできない。
 六 以上の次第で、被告会社に原告主張の安全配慮義務違反又は過失があるとはいえないから、この安全配慮義務違反又は過失のあることを前提とする本件請求は理由がない。