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ID番号 07497
事件名 地位確認請求上告事件
いわゆる事件名 JR東日本水戸機関区事件
争点
事案概要  旧国鉄の水戸運転所運転士であったX1(組合員勤水戸執行委員長)、X2及び車両係であったX3が、国鉄の分割・民営化に伴うJR東日本(Y)への採用過程において、昭和六二年三月国鉄から、水戸営業係兼務、営業部課員兼務を命じられ、その後Y設立委員からも同年四月一日付で、水戸運転所運転士兼関連事業本部(水戸在勤)となる旨の通知を受けたが、Y入社後の同月七日には水戸駅以外の駅での営業係兼務を命じられ、更に他の駅への転勤を命じられた者(X1,X3)もいたが、昭和六三年四月には、水戸駅以外の営業指導係(X1、X2)ないし営業係(X3)を命じられ、兼務発令(運転士ない車両係)を解消されたことから、Y設立委員からの委任によるものとして国鉄からなされた兼務発令及び昭和六三年の兼務解消発令がいずれも不当労働行為又は人事権の濫用に当たるとして、(1)主位的に水戸運転所運転士ないし車両係たる地位にあることの確認を、(2)予備的にはX1及びX2は水戸駅営業係指導の地位を、X3は水戸駅営業係の地位にあることの確認を請求したケースの上告審(なお、提訴もしくは一審判決後、別駅の売店勤務を命じられたため、控訴審では同発令も加えて不当労働行為に基づく予備的請求が追加された。なお、X3は水戸駅勤務であったため予備的請求を取下げ)で、一審と同様に、(1)については、本件兼務発令、兼務解消発令は、不当労働行為、人事権の濫用には該当しないとして、請求が棄却され、本件各転勤命令(水戸以外の駅への配置)の業務上の必要性については疑問が残るとし、組合活動を維持するために相当な犠牲を払い、著しい不利益を被ったとして、不当労働行為に当たるとしたが、審提訴後の命令は不当労働行為に該当しないとして、請求を棄却し、(2)についても請求を棄却した原審の判断が相当であるとして、X1らの上告が棄却された事例。
参照法条 労働基準法2章
体系項目 配転・出向・転籍・派遣 / 配転命令の根拠
裁判年月日 2000年1月27日
裁判所名 最高一小
裁判形式 判決
事件番号 平成9年 (オ) 1005 
裁判結果 棄却(確定)
出典 労働判例777号15頁
審級関係 控訴審/06905/東京高/平 9. 1.31/平成4年(ネ)1074号
評釈論文
判決理由 〔配転・出向・転籍・派遣-配転命令の根拠〕
 原審の適法に確定した事実関係の下においては、所論の点に関する原審の判断は、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、独自の見解に立って原判決を非難するものにすぎず、採用することができない。