全 情 報

ID番号 07967
事件名 不当労働行為に対する地位確認請求事件
いわゆる事件名 ニッソー事件
争点
事案概要  ビル清掃などの請負を業とする会社Yがビル清掃業務を請け負っているビルの清掃作業員として採用されて就労した後、改めて契約社員雇用契約を締結したXが、日報作成や鍵の保管といった重要事項についてYが定めた規則を勝手に変更してこれを他の社員に押し付けたり、上司の指示に従わなかったりして職場の和が保てなくなり、Yの業務遂行に支障をきたしていることを理由に解雇予告手当の支払とともに即時解雇されたことから、〔1〕Yに対しXがYの従業員であることの確認を、〔2〕解雇されたために一〇日間の年休を取得することができなかったと主張して年休の権利回復とその権利行使を認めることを請求したケースで、〔1〕については、Xの就業態度は著しく不良といえ、Xには就業規則の解雇事由があり、Xは上司から再三にわたり話合いをするよう求められてもこれを拒否し、上司に指示に従おうとしない態度を明確にしており、勤務態度の改善の見込みはなかったことから、本件解雇は合理的な理由に基づく相当なものである(また仮に本件解雇が無効であったとしても、雇用契約は期間満了により終了した)として、請求が棄却、〔2〕についても、Xは適法に年休を取得しておらず、これを取得しなかったことがYの責めに帰すべき事情によるものとは認められないうえ、XとYとの雇用契約は解雇又は期間満了により終了しているとして、請求が棄却された事例。
参照法条 労働基準法89条3号
体系項目 解雇(民事) / 解雇事由 / 勤務成績不良・勤務態度
裁判年月日 2002年5月14日
裁判所名 東京地
裁判形式 判決
事件番号 平成13年 (ワ) 14270 
裁判結果 一部棄却、一部却下
出典 労経速報1820号9頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔解雇-解雇事由-勤務成績不良・勤務態度〕
 前記の認定事実によれば、原告は、日報の作成や鍵の保管といった重要な事項について被告が定めた規則を勝手に変更してこれを他の社員に押し付けたり、上司の指示に従おうとしなかったり、早出出勤についての被告の方針に公然と反抗して職場を混乱させたり、他の社員の前で乱暴な言動をした。原告の就業態度は著しく不良といえるから、原告には就業規則五〇条二号の解雇事由がある。そして、原告は、上司から再三にわたり話し合いをするよう求められてもこれを拒否し、上司の指示に従おうとしない態度を明確に示しており、勤務態度が改善する見込みはなかった。そうすると、本件解雇は、被告の主張するその余の解雇事由について判断するまでもなく、合理的な理由に基づく相当なものと認められる。