全 情 報

ID番号 00285
事件名 仮処分申請事件
いわゆる事件名 大日金属工業事件
争点
事案概要  被申請会社のサービス業務を処理する目的で別の法人格として設立された会社への出向を命じられた労働者が、出向命令の効力停止の仮処分を申請した事例。(申請却下)
参照法条 労働基準法2章
体系項目 配転・出向・転籍・派遣 / 配転命令の根拠
裁判年月日 1975年5月29日
裁判所名 岐阜地大垣支
裁判形式 判決
事件番号 昭和49年 (ヨ) 54 
裁判結果 却下
出典 労働民例集26巻3号545頁
審級関係
評釈論文
判決理由  労働の場所・種類などは賃金などの労働条件と同様、労働契約の不可欠の条件であり、労働契約において、労働者との合意によりそれらの特定・変更の権限を使用者に委ねられたと認められない限り、使用者には労働者の配転などを命ずる権限がないというべきである。
 (中 略)
 申請人が労働場所を岐阜工場に限定する雇傭契約を結んだと疎明するに足りる疎明資料は何もない。
 すると、就業規則の所轄官庁への届出の有無に関係なく、申請人が就業規則を遵守すると約束することによって、就業規則三七条は、申請人・被申請人間の雇傭契約の内容となっており、申請人は右約束により申請人に「異動」を命じうる権限を被申請人に委ねる旨の合意が成立し、その「異動」には転居を必要とする労働場所の変更(転勤)も含まれるとみるのが相当である。
 (中 略)
 右事実によると、サービスセンターへの出向は、実質的には被申請人内部の配置換え・転勤と同一であり、(一)で検討した「異動」に関する合意はサービスセンターへの出向にも適用されるとみるのが相当である。