全 情 報

ID番号 00492
事件名 賃金等請求事件
いわゆる事件名 電々公社事件
争点
事案概要  所属長との揉み合いにより負った傷害の治療のための病休(有休)申請を認めず、賃金カットを行ったことに対し、未払賃金等の支払を求めた事例。(請求棄却)
参照法条 労働基準法24条1項
体系項目 休職 / 傷病休職
裁判年月日 1981年2月13日
裁判所名 東京地
裁判形式 判決
事件番号 昭和53年 (ワ) 12216 
裁判結果 棄却
出典 労経速報1097号15頁
審級関係
評釈論文
判決理由  しかるに、原告は被告Yに対して、傷害の具体的な状況や病院名をも告知しなかったのであるから、被告Yが原告の申告及び病気休暇願の記載事項だけからでは原告が傷病により就労不能であったとの事実について十分な心証を得られないと考えたとしてもやむを得ず、原告に診断書その他傷害の事実を証明するものの提出を求めたことは、前記労使間の了解事項及び被告公社の通達の趣旨からしても相当な措置であったと考えられる。原告は前記A病院から診断書を得ており、また病院名、被投与者である原告名、投与年月日等の記載のある薬袋も受取っていたのであるなら、これらを提出しようとすれば容易にできたものであるにもかかわらず、これらを提出しなかったものであり、被告Yが病休の承認をせず、被告公社がこれを欠勤として処理し、原告の同年一〇月分の給与から前記三時間分の賃金を控除したことも、またやむを得ない措置であったというべきである。
 (中 略)
 さらに、原告は、被告Yは同年九月一二日に原告に対して一旦は病休として処理する旨言明しており、また被告Yは原告が病院に行くこと自体は認めていたのであるから、被告Yは病休の承認をしたというべきであると主張するが、被告Yが病院に行くこと自体は承認したとしても、病休の承認と直接結びつくものではなく、右九月一二日の点に関しては、被告Yが原告に対して、原告の病休申請には確認資料の添付がないが、信用して病休手続をとっても良い旨述べたことは前記のとおりであるが、前認定の本件事実経緯に照らすと、これは被告Yが原告との示談を念頭において言ったものと思われ、確定的な意思の表示とは認められず、さらに、被告Yがかように言ったこと自体をもって病休の承認行為といえないことも当然であるから、いずれにしても、このことは前記の病休成立についての判断に影響を及ぼすものではない。