全 情 報

ID番号 00642
事件名 地位確認等請求事件
いわゆる事件名 日本鋼管事件
争点
事案概要  被告会社が合理化のため周辺業務を廃止し新会社を設立してこれに外部委託することに伴い従来周辺業務に従事してきた原告が労使が合意した解雇対象除外者に該当しないとして解雇されたため解雇を無効として賃金の支払を請求した事例。(棄却)
参照法条 民法1条3項
体系項目 解雇(民事) / 整理解雇 / 整理解雇の必要性
裁判年月日 1982年7月19日
裁判所名 横浜地川崎支
裁判形式 判決
事件番号 昭和48年 (ワ) 71 
裁判結果 棄却
出典 労働民例集33巻4号695頁/労経速報1126号3頁/労働判例391号45頁
審級関係
評釈論文 奥山明良・昭和57年度重要判例解説〔ジュリスト792号〕215頁/宮島尚史・労働経済旬報1239号9頁/小西国友・季刊実務民事法1号278頁/中村和夫・労働判例398号4頁
判決理由  業務縮小のため「減員の必要が生じた」かどうかも、経営責任を負わない裁判所としては、まず企業主体としての使用者が「減員の必要が生じた」と判断した根拠として被告の主張しているところを前示(1)と同様にして事情(事実)の有無および使用者の判断の仕方について不合理な点がないかということに加えて、使用者が、それまでの労務者との雇用関係から見て、労働者の解雇を避ける措置をとるための真摯な努力をしたかどうかの点を合わせて吟味し、使用者の減員の必要についての判断に不合理な点があるかどうか、その判断の相当性について審理すべきものと解するのが相当である。
 ところが、本件の場合、被告が業務廃止のため「減員の必要が生じた」と判断するに至った経過は前記認定のとおりであって被告の判断の仕方に不合理な点は認められず、ことに組合も減員の必要が生じたことを認めていることが明らかである点からみても、被告の「減員の必要が生じた」との判断はこれを相当なものとして是認できるものである。