全 情 報

ID番号 00695
事件名 仮処分申請事件
いわゆる事件名 大津キャンプ事件
争点
事案概要  解雇をなすにあたっては、別段の理由が必要か否かが争点となった事例。
参照法条 民法627条1項
体系項目 解雇(民事) / 解雇の自由
裁判年月日 1953年3月14日
裁判所名 大津地
裁判形式 判決
事件番号 昭和27年 (ヨ) 43 
裁判結果
出典 労働民例集4巻1号50頁/タイムズ29号38頁
審級関係
評釈論文
判決理由  およそ雇傭契約において、解雇は契約の解除とは異り、継続的な契約関係を将来に向つて消滅させるものであつて、その意思表示はいわゆる告知であるから、法律に別段の規定なき限り、契約当事者の自由に行使し得る権利であるといわねばならない。解雇をこのようにみることは、労働者の地位を著しく不安定のものにし、現実の社会生活関係に沿わないとの考慮から、正当の事由に基かない解雇を無効とする見解にも一面の理なしとはしない。しかしながら、民法第六百二十七条第一項は「当事者カ雇傭ノ期間ヲ定メサリシトキハ当事者ハ何時ニテモ解約ノ申入ヲ為スコトヲ得」と規定し、一般的に、解雇の自由を宣明しており、労働基準法労働組合法等が、特別の場合の解雇権の行使を制限しているのも、解雇の自由を前提としてはじめて意味があるものと考えられるので、労働契約の解約について借家法第一条の二のような特別規定のない現行法制の下においては、解雇には別段の理由を要しないものと解せざるを得ない。
 (中 略)
 相当の理由なき解雇を解雇権の濫用として無効とする見解は、(訴訟上、解雇の正当性についての主張立証の責任を労資いずれに負わせるかのちがいはあるが)結局において、解雇には正当理由あることを要するとの立場と同一に帰するのであつてわれわれはすでに述べたような見地からして、かかる見解には賛成できない。