全 情 報

ID番号 00780
事件名 雇用契約関係存在確認等請求事件
いわゆる事件名 不二タクシー事件
争点
事案概要  タクシー運転手が、上司に対する暴言、暴行等を理由に就業規則に基づき解雇されたので、雇用契約関係存在確認、賃金支払を請求した事例。(請求棄却)
参照法条 労働基準法89条1項,9項
体系項目 解雇(民事) / 解雇事由 / 暴力・暴行・暴言
裁判年月日 1973年9月13日
裁判所名 東京地
裁判形式 判決
事件番号 昭和46年 (ワ) 18101 
裁判結果 棄却
出典 労働判例185号38頁
審級関係
評釈論文
判決理由  被告の就業規則に懲戒解雇事由として「他人を暴行、脅迫又は煽動、教唆して業務を妨げたとき(八〇条一三号)」、通常解雇事由として「懲戒解雇の適用基準に該当したとき(一八条一号)」がそれぞれ定められていることは当事者間に争いがなく、証人Aの証言によれば、原告には些細なことに激発して乱暴狼藉を働く性向が顕著であったばかりでなく、傷害罪の前科もあること、折しもタクシー業界において不良タクシー運転手の摘発・排除が強く要請されていたことなどの事情を斟酌して、被告は、前記1の行為が懲戒解雇事由に該当するものの、他方原告の将来を慮り、就業規則一八条一号の右規定を適用して原告を通常解雇に付することとしたことが認められ、右認定を覆えすに足りる証拠はない。
 以上認定の事実によれば、原告の前記1の行為は就業規則八〇条一三号の懲戒解雇事由に該当するものと解することができるし、被告が諸般の事情を斟酌して原告に対し通常解雇事由を定めた就業規則一八条一号を適用したのは首肯できるところであるから、前記1及び2の認定事実に照らして、本件解雇はやむをえないものというべきである。