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ID番号 00881
事件名 賃金支払請求事件
いわゆる事件名 水道機工事件
争点
事案概要  上告人らの外勤・出張拒否闘争に対し被上告人会社が賃金の全額をカットしたため、上告人らが内勤業務に従事したことを理由に賃金の支払を求めた事例。
参照法条 労働基準法2章
体系項目 賃金(民事) / 賃金請求権の発生 / 争議行為・組合活動と賃金請求権
裁判年月日 1985年3月7日
裁判所名 最高一小
裁判形式 判決
事件番号 昭和55年 (オ) 39 
裁判結果 棄却
出典 労働判例449号49頁/労経速報1214号9頁/裁判集民144号141頁
審級関係 控訴審/00250/東京高/昭54. 9.25/昭和53年(ネ)2854号
評釈論文 遠藤隆久・労働法律旬報1124号18~25頁1985年7月25日/古川陽二・季刊労働法136号205~207頁1985年7月/香月不二夫・産大法学〔京都産業大学〕20巻1号27~33頁1986年4月/山口廣・労働経済旬報1302号18~23頁1985年8月20日/山本吉人・労働判例745号2頁1998年11月15日/小西國友・労働判例百選<第5版>〔別冊ジュリスト101〕264~265頁1989年3月/小嶌典明・昭和60年度重要判例解説〔ジュリスト臨時増刊862〕211~212頁1986年6月/新谷眞人・
判決理由  原審は、右事実関係に基づき、本件業務命令は、組合の争議行為を否定するような性質のものではないし、従来の慣行を無視したものとして信義則に反するというものでもなく、上告人らが、本件業務命令によって指定された時間、その指定された出張・外勤業務に従事せず内勤業務に従事したことは、債務の本旨に従った労務の提供をしたものとはいえず、また、被上告人は、本件業務命令を事前に発したことにより、その指定した時間については出張・外勤以外の労務の受領をあらかじめ拒絶したものと解すべきであるから、上告人らが提供した内勤業務についての労務を受領したものとはいえず、したがって、被上告人は、上告人らに対し右の時間に対応する賃金の支払義務を負うものではないと判断している。原審の右判断は、前記事実関係に照らし正当として是認することができ、原判決に所論の違法はない。右違法のあることを前提とする所論違憲の主張は、その前提を欠く。論旨は、採用することができない。