全 情 報

ID番号 01170
事件名 退職一時金等請求事件
いわゆる事件名 東大阪市環境保全公社等事件
争点
事案概要  被告公社が前年の四月に遡ってベースアップを実施したところ、四月には在籍していたがベースアップ実施前にそれぞれ退職したためベースアップ分の支払を受けなかった原告らがその支払等を請求した事例。(棄却)
参照法条 労働基準法24条
体系項目 賃金(民事) / 賃金請求権の発生 / 賃金の計算方法
裁判年月日 1982年1月29日
裁判所名 大阪地
裁判形式 判決
事件番号 昭和54年 (ワ) 8053 
裁判結果 棄却
出典 労経速報1122号22頁/労働判例393号65頁
審級関係
評釈論文
判決理由  原告両名は、被告公社が昭和五三年一月一日にベースアップ(給与規程の改正)を昭和五二年四月に遡って実施したから、当時在職した原告両名にもそれを適用して、旧給与との差額を支給すべきである旨主張するが、原告Xの本人尋問の結果中、それにそう部分は、(証拠略)によれば、改正された新給料表は、昭和五三年一月一日に在職する職員について、昭和五二年四月一日から適用する(財団法人A職員給与規程の一部を改正する規程附則2項)ことが認められるのに照し措信できず、その他にそれを認めるに足りる証拠はない。なお、右給与規程の改正が原告両名の退職後になされたものであることは弁論の全趣旨により明らかであり、そうである限り、それがいつから(どこまで遡って)適用されるかや、いかなる時期に在職した職員に適用されるかを定めることを、被告公社において自由に定めうるものとしたからといって、その結果新給与規程を適用されなかったことになる原告両名の在職中に取得した権利をなんら奪うことにはならないから(換言すれば、新給与規程は、それが適用される職員に対し新たな権利を取得させることになるにすぎないから)、右附則2項の規定は、原告両名の同意の存否にかかわらずその効力を有するものと解される。
 従って、原告両名の請求の原因3の(三)及び(四)の各請求は、その前提を欠きすべて理由がない。