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ID番号 01334
事件名 懲戒処分取消請求控訴事件
いわゆる事件名 北九州市清掃局事件
争点
事案概要  年末休日出勤拒否闘争を企画、指導したことを理由に停職、減給等の懲戒処分に付された組合役員たる市職員が、右処分の取消を求めた事件の控訴審。(控訴棄却、労働者敗訴、原判決引用)
参照法条 労働基準法35条,36条,89条
体系項目 労働時間(民事) / 法内残業 / 残業義務
裁判年月日 1984年7月19日
裁判所名 福岡高
裁判形式 判決
事件番号 昭和56年 (行コ) 21 
裁判結果 棄却(確定)
出典 労働民例集35巻3・4合併号439頁
審級関係 一審/01235/福岡地/昭56. 8.24/昭和45年(行ウ)18号
評釈論文
判決理由  本件年末休日は、前記引用にかかる原判決説示の如く法定外休日であって、この休日に就労させるについては、労基法上の規制が及ばない。即ち、本件就業規程は、日曜日をもって「勤務を要しない日」と定め(同一〇条一項)、これは労基法三五条一項に定める休日である。そうして、本件の年末期間は、国民の祝日に関する法律に定める祝日、一月二日、三日と共に「休日」と規定され(同規程一一条一項)、労基法三五条一項の休日以外の休日であることを明示すると共に、同規程一二条は、「管理者は、業務のつごうにより必要がある場合は、」「勤務を要しない日もしくは休日に勤務を命ずることができる。」旨定めている。しかして、本件就業規程は、前記引用にかかる原判決説示の如く、管理者が地公企法一〇条によって制定した企業管理規程であって、地方公務員法三二条にいう「規程」に該当し、それに基づく勤務命令は、同条にいう上司の職務上の命令として職員は、これに従う義務を負うと一般的にはいうことができる。
 (中 略)
 してみると、当局がこのような定期的ではあるが限時的な繁忙状態について「業務のつごうにより」休日労働を命ずる「必要がある」と判断したことにつき前記就業規程の解釈適用に誤りはなかったし、かつこのような場合に適用されるものとしての本件就業規程一二条の合理性もこれを首肯することができる。
 従って、以上説示の理由と前記引用にかかる原判決説示の理由(原判決理由五の1参照)をあわせれば、本件年末休日出勤命令により、控訴人X1、同X2、同X3、同X4らについて、具体的な年末休日出勤義務が発生したと認めるのが相当である。