全 情 報

ID番号 01593
事件名 仮処分申請事件
いわゆる事件名 利昌工業事件
争点
事案概要  争議中になされた従業員の暴力行為に対して就業規則の懲戒条項を適用できるか。(肯定)
 ただし、右理由とする懲戒解雇が、地労委の争議あっせん条項に違反するので無効とされた事例。
参照法条 労働基準法89条
体系項目 就業規則(民事) / 争議行為と就業規則
裁判年月日 1963年4月5日
裁判所名 大阪地
裁判形式 判決
事件番号 昭和31年 (ヨ) 1746 
裁判結果
出典 労働民例集14巻2号496頁
審級関係
評釈論文 山口浩一郎・ジュリスト331号123頁/川口実・法学研究〔慶応大学〕37巻10号95頁
判決理由  申請人は先ず就業規則は労働関係の平和時の規定であるから本件の如き争議中の事件には適用しえないと主張する。成程就業規則中平常時の労働力の指揮掌握に関する部分は争議中の組合員である会社従業員に適用できないにしても、それは労働力の提供に関して会社の指揮をはなれるからに過ぎないからであり、会社の従業員は、争議中といえども、労働力の提供拒否の面をのぞいては、やはり会社の従業員たる地位を失わず、その限りにおいては、会社の統制下にあるものといわなければならないのであり、殊に本件の如き暴行々為でさえもそれが只単に争議中に生じたものであるが故にこれに対し就業規則を適用しえないとなす何等の理由も見出しえないから、右主張は採用することが出来ない。