全 情 報

ID番号 02001
事件名 地位保全等仮処分申請事件
いわゆる事件名 三豊製作所事件
争点
事案概要  就業規則所定の解雇事由である「休職期間を満了しても復職できなかったとき」にあたるとして解雇された従業員が、右解雇事由にあたる事実はなく解雇は無効であるとして地位保全等求めた仮処分申請事件の控訴審。(控訴棄却、労働者勝訴)
参照法条 労働基準法89条1項3号,2章
民法627条
体系項目 休職 / 休職の終了・満了
裁判年月日 1970年4月14日
裁判所名 東京高
裁判形式 判決
事件番号 昭和43年 (ネ) 1117 
裁判結果
出典 東高民時報21巻4号65頁/タイムズ252号281頁
審級関係
評釈論文
判決理由  右の「休職期間を満了しても復職出来なかったとき」というのは休職期間が満了しても休職の事由となった障害が消滅しなかった場合をいうものと解する。けだし休職を命ずるということは従業員に職務に従事させることが不能であるかもしくは適当でない事由が生じた場合に、従業員の地位を保有させながら勤務のみを禁ずるものであるから、その事由の消滅によって当然復職すべきことが予定されているものというべく、また休職を命ずる場合に定められる休職期間も一応の休職の最大限度を定めるものにほかならないから、休職期間の満了前に休職の事由となつた障害が消滅したときは性質上休職は当然終了し復職せしむべきものであり(この場合における復職の発令は確認的なものというべきである)、(中 略)。
 他方休職期間が満了しても休職の事由となった障害が消滅しない場合に休職期間が満了したとの一事を以て当然復職するという考え方は人事院規則一一―四第六条第二項のような定めがある場合は格別、就業規則第九一条第六号のような定めがある場合には採りえない。
 (中 略)
 被控訴人の休職の事由となった幼児を保育する必要上正常の勤務に服することができないという障害は休職期間の満了と同時に消滅したものというべきであり、そうだとすれば被控訴人の休職は休職期間の満了と同時に当然終了し、控訴会社は被控訴人を復職せしむべきものであったといわなければならない。