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ID番号 03043
事件名 不当労働行為救済命令取消請求事件
いわゆる事件名 あけぼのタクシー事件
争点
事案概要  不当労働行為の救済命令の取消請求に関連してバックペイの際の中間収入の控除ないしその要否が争われた事例。
参照法条 労働基準法3章
民法536条2項
労働組合法7条
労働組合法27条4項
体系項目 賃金(民事) / 賃金請求権の発生 / バックペイと中間収入の控除
裁判年月日 1987年4月2日
裁判所名 最高一小
裁判形式 判決
事件番号 昭和59年 (行ツ) 235 
裁判結果 一部破棄
出典 時報1243号126頁/タイムズ644号86頁/労働判例500号14頁/金融商事798号39頁/裁判集民150号583頁
審級関係 控訴審/福岡高/昭59. 3. 8/不明
評釈論文 牛嶋勉・最高裁労働判例〔9〕―問題点とその解説213~227頁1989年11月/山口定男・救済命令取消判決の解説・研究381~393頁1989年12月/石橋洋・昭和62年度主要民事判例解説〔判例タイムズ臨時増刊677〕380~381頁1988年12月/石川善則・ジュリスト895号66~67頁1987年10月15日/道幸哲也・判例評論348〔判例時報1256〕212~216頁1988年2月/品田充儀・日本労働法学会誌71号124~130頁1988年5月/木村五郎・昭和62年度重要判例解説〔ジュリスト臨時増刊
判決理由 〔賃金-賃金請求権の発生-バックペイと中間収入の控除〕
 原審の確定した前記事実関係に照らせば、原判決が判示するとおり、本件解雇による被解雇者の打撃は比較的軽少であるというべく、したがってまた、本件解雇がもたらす上告人会社における労働者らの組合活動意思に対する制約的効果にも通常の場合とはかなり異なるものがあるとみるのが当然であるから、他に特段の理由のない限り、本件において全額のバックペイを命ずることは合理性を欠くものといわなければならない。原判決は、本件解雇が他の組合役員に対する出勤停止の懲戒処分と共に参加人組合に対し打撃を加える目的の下にされたものであるとの事情をもって参加人組合員の組合活動意思に対する制約的効果が軽少であったとはいい難い場合である旨判示するが、バックペイ命令における中間収入控除の要否及びその金額を決定するに当たり、当該解雇の組合活動一般に対して与える侵害の面として右のような解雇の事情を考慮に入れることは、前示の観点からみて妥当を欠くものといわざるを得ない。