全 情 報

ID番号 03459
事件名 懲戒処分取消請求事件
いわゆる事件名 信越郵便局事件
争点
事案概要  全逓の組合員で集配課職場委員長の職にある郵便局集配課職員が、配置換に関連して管理者の就労命令を無視して管理者に執拗、かつ言動激しく抗議したことを理由に減給処分とされたことにつきその効力が争われた事例。
参照法条 国家公務員法98条1項
体系項目 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 違法争議行為・組合活動
裁判年月日 1976年12月9日
裁判所名 長野地
裁判形式 判決
事件番号 昭和46年 (行ウ) 10 
裁判結果 (控訴)
出典 労働民例集27巻6号673頁/訟務月報22巻13号2943頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-違法争議行為・組合活動〕
 以上の諸事情が存する場合には、管理者の不当な措置に対して勤務時間中に抗議をすることが禁止されるべきでないとしても、前記一1のごとく、原告の行なつた抗議の方法、態様は再三の就労命令を無視した執拗なものであつて、かつ、その言動も激しいものであり、職場秩序を乱すことが少なくなかつたというべきであるから原告の右抗議は、社会的に相当な行為であると評価することはできず、また正当な組合活動の範囲内にとどまるものと解することもできない。従つて、処分の対象とされることはいうまでもない。
 (中略)
 欠務時間は、それほど多くないかもしれないが、本件処分においては欠務行為に対する責任のみを問うているものではなく、欠務行為とともに、その間に行なわれた様々の行為に対する責任をも問うているものであり、また、本件行為の方法、態様も、フアイバーの押し行け行為、メモ用紙を取り上げた行為など悪質なものをも含んでいて許容すべからざるものであるから、これらの行為を理由に本件処分をしたからといつて、これが懲戒権の濫用に当るものとすることはできず、かつ、本件行為の動機、目的、方法 態様、その他の諸事情を考量すれば、本件処分が原告の非違行為に対して重すぎるということはできず、いまだ裁量の範囲内にあるものと思料される。