全 情 報

ID番号 03625
事件名 不当労働行為救済命令取消請求事件
いわゆる事件名 新神戸電機事件
争点
事案概要  労働組合の専従書記長であった社員について原職復帰を拒否して他支店へ配転した行為が不当労働行為にあたるとして右配転を拒否して解雇された者がその効力を争った事例。
参照法条 労働組合法7条1号
労働基準法2章
体系項目 配転・出向・転籍・派遣 / 配転命令権の濫用
裁判年月日 1972年5月19日
裁判所名 大阪地
裁判形式 判決
事件番号 昭和42年 (行ウ) 78 
裁判結果 棄却
出典 タイムズ282号257頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔配転・出向・転籍・派遣-配転命令権の濫用〕
 原告会社は参加人を極力原職に復職させるべき責務があつたのに、右復職が困難であるとの一事からたやすくこれが履行の努力を放棄し、さらに守口工場内で参加人の技能に適した原職相当の職場を探索、検討する努力をも怠り、また、従前は専従者が復職する場合で原職復帰が困難のときは本人の意向を十分しんしやくしていたのに、参加人の場合にはその意向を全然聴取することなく、いち早く守口工場以外の職場への配置を決定した。原告会社福岡支店が蓄電池関係の職務を担当する技術サービス員の補充を必要としたことは一応是認できるけれども、しかし、技術者本来の職務の経験しかない参加人が営業面も担当する技術サービス員として最適であつたか、すこぶる疑問で原告の主張も直ちに首肯するにたりない。それに、参加人は原告会社が企画、実施した合理化計画に強硬に反対してきた守口工場に残留する唯一の積極的な組合活動家であつて、専従書記長を解任された後も新執行部の方針に反対して、合理化反対闘争を推進していたものであるばかりか、参加人が原職復帰を要望するや、原告会社で責任ある地位にあるA勤労部次長やB社長付は参加人の右意向を封殺するかのような言動におよんでいるうえ、原告会社はその後、参加人を原職に復帰させるべきであるとする組合の要求に対し、終始それが不可能であるとの主張を堅持して譲らず、参加人をあえて組合活動を進める余地の少ない遠隔地の福岡支店の技術サービス員として配転したものである。よつて、かような事実に徴すると、原告会社の本件配転の真意は業務上の必要性にもとづくものと解するより、むしろ、参加人が守口工場に復職して従前と同様に活発な組合活動を展開することを嫌悪し、参加人を守口工場から遠ざけることによつてその組合活動を封じようとした点にあつたものとみるのが相当である。
 そうだとすれば、参加人に対する本件配転は参加人の組合活動を嫌悪し、参加人を不利益に取扱う、不当労働行為に該当するものというべきであり、また、本件解雇は右配転命令拒否を理由とする点で、右配転と一体をなすものとして同じく不当労働行為に該当するものといわなければならない