全 情 報

ID番号 03775
事件名 退職金等請求事件
いわゆる事件名 東京コンピューター用品事件
争点
事案概要  賞与の支給日在籍要件につき、出社はしていなくても有給休暇、産前産後の休暇を取得して休んでいたものとして、右賞与を請求した事案につき、これを認容した事例。
参照法条 労働基準法24条
民法90条
体系項目 賃金(民事) / 賞与・ボーナス・一時金 / 支給日在籍制度
裁判年月日 1986年9月26日
裁判所名 東京地
裁判形式 判決
事件番号 昭和60年 (ワ) 12560 
裁判結果 一部認容
出典 労働判例482号20頁/労経速報1284号17頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔賃金-賞与・ボーナス・一時金-支給日在籍制度〕
 (二) 原告は、昭和六〇年三月末ころ、被告に対し、今後の予定について、同年四月中は通常勤務をしたいこと、同年五月中は、週休二日制と有給休暇を利用して、また、同年六、七月は産前産後の休暇のため出社せず、同年七月末日をもって退職したい旨連絡した。そして原告は右予定に従い、同年五月二日まで出社し、その後は出社しなかった。原告は同年六月六日には出産を終えた。その後原告は、同年七月二〇日付で、同月二五日をもって被告を退職する旨通知するとともに賞与及び退職金の支払いも合わせて請求した。
 なお原告の給与は、昭和六〇年当時月額一五万円(手取額にして約一三万円)であり、毎月末締めで翌月五日支払われ、また賞与については毎年七月一〇日に支払われていた。
 右認定に反する被告代表者本人尋問の結果は俄に措信しがたく他に右認定を左右する証拠はない。
 右認定事実によれば、原告は昭和六〇年五月二日まで出社したもののその後は出社していないのであるが、翌日以後は有給休暇、産前産後の休暇を取得しており、被告もこれを了解していたものといえるのであって、原告が昭和六〇年一月から六月まで在籍し、かつ賞与支給日たる同年七月一〇日にも在籍し、その後同年七月二五日をもって被告を退職したものと認められ、被告の賞与支給基準に該当するものといえる。