全 情 報

ID番号 03915
事件名 懲戒処分無効確認等請求事件
いわゆる事件名 仙台統制電話中継所ほか七事業所事件
争点
事案概要  原告らの年休権行使に対し使用者が時季変更権を行使したことにつきその適法性が争われた事例。
参照法条 労働基準法39条4項
体系項目 年休(民事) / 時季変更権
裁判年月日 1988年1月27日
裁判所名 仙台地
裁判形式 判決
事件番号 昭和53年 (ワ) 874 
裁判結果 一部認容
出典 労働判例511号7頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔年休-時季変更権〕
 ところで、勤務割を定め変更することは本来使用者の専権に属するものであって、使用者の義務ではない。しかしながら、労基法の年休に関する定めの趣旨は、使用者に対しできるだけ労働者が指定した時季に年休を取得できるよう状況に応じた配慮をすることを要請しているものとみることができるから、使用者の右権限といえども労基法に基づく年休権の行使により結果として制約を受ける場合のあることは当然であって、勤務割によって予め定められていた勤務予定日につき年休の時季指定がなされた場合においても異なるところはなく、そのような勤務体制がとられている事業場においては、使用者として通常の配慮をすれば勤務割を変更して代替勤務者を配置することが客観的に可能な状況にあるにもかかわらず、使用者がそのための配慮をしないことにより代替勤務者が配置されないときは、必要配置人員を欠くものとして事業の正常な運営を妨げる場合に当たるということはできないと解するのが相当である(最判昭和六二年七月一〇日労働判例四九九号一九頁参照)。