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ID番号 03926
事件名 賃金仮払仮処分申請事件
いわゆる事件名 横須賀米海軍基地事件
争点
事案概要  横須賀の米海軍基地に勤務する従業員が職務能力を欠き不適格であるとして解雇されたのに対して、右解雇を不当として賃金仮払の仮処分を申請した事例。
参照法条 労働基準法20条1項
体系項目 解雇(民事) / 解雇事由 / 職務能力・技量
解雇(民事) / 解雇と争訟・付調停
裁判年月日 1989年1月27日
裁判所名 横浜地
裁判形式 決定
事件番号 昭和63年 (ヨ) 550 
裁判結果 一部認容,一部却下
出典 労働判例535号69頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔解雇-解雇事由-職務能力・技量〕
〔解雇-解雇と争訟〕
 債権者にはSRF企画見積部工事企画課電気工事企画係、生産専門職(五等級)の職務に最小限要求されている能力を一応有していると認められる。
 (中略)
 したがって、本件解雇は無効であると解するのが相当である。
 (中略)
 債権者は昭和六二年一月五日付賃金仮払仮処分決定により、昭和六一年一月五日以降毎月一〇日限り一か月金二三万三七〇六円の割合による金員の仮払いを受けていること、債権者は妻と二人で生活しているが、債権者の一か月の生活費は約金三〇万円を要し、仮処分による仮払賃金では月々の生活費を賄うに足りず、蓄えもなく、借入も限度にきていること、赤字補填のため、父の形見の時計を質入れし、それを受け戻すには金七五万円の返済を要すること。
 ところで、本件請求にかかる各手当は家計を補完するに重要な財源であることは否定し難いところではあるが、本件の申立ては昭和六三年五月三〇日になされたことは記録上明らかであり、本件請求にかかる各手当は相当時間の経過した過去分の請求も含まれている。債権者の努力があったにせよ、本件仮処分に至るまで一応生活を営むことができたことは仮処分の必要性の判断に際して考慮せざるを得ない。そして、その他諸般の事情を考慮すると金七五万円の限度で仮払いの必要性を認めることができるが、その余についてはこれを認めることはできない。