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ID番号 03957
事件名 労働契約存在等請求事件
いわゆる事件名 国鉄筑前前原駅(兼職)事件
争点
事案概要  旧国鉄職員が、国鉄総裁の兼職承認を受けないまま市町村議会議員に立候補して当選した場合において、国鉄の職員たるの地位を失うか否かが争われた事例。
参照法条 公職選挙法103条1項
日本国有鉄道法20条1号
日本国有鉄道法26条2項
労働基準法7条
体系項目 労基法の基本原則(民事) / 公民権行使 / 公民権行使と休職・解雇
退職 / 失職
裁判年月日 1988年4月26日
裁判所名 福岡地
裁判形式 判決
事件番号 昭和58年 (ワ) 211 
昭和60年 (ワ) 3017 
裁判結果 棄却(控訴)
出典 労働民例集39巻2・3合併号148頁/タイムズ683号144頁/労働判例518号29頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔退職-失職〕
 国鉄職員が国鉄法二六条二項によって兼職を禁止される議員等になった場合の法的効果については、国鉄法自体の解釈によって定めるべきところ、「…に該当する者は、職員であることができない。」旨の同項本文の文理をも併せ考えると、同項は、単に議員等との兼職を禁止される旨の国鉄職員の欠格事由を定めたのみにとどまらず、国鉄職員が右議員等となった場合においては、国鉄職員であることができない、すなわち国鉄職員の地位を失う旨の効果をも定めているものと解するのが相当である。
〔労基法の基本原則-公民権行使-公民権行使と休職・解雇〕
 たしかに、労基法七条本文の趣旨に照らすと、一般に、使用者は、労働者が公職に就任することが使用者の業務の遂行を著しく阻害するおそれがある場合に限り、その程度に応じて休職または普通解雇に付しうるにとどまるものと解すべきことは、原告らの指摘するとおりであるけれども、基幹的交通機関としての国鉄の業務の公共性に照らせば、国鉄法が労基法の例外を設け、職員等との兼職につき原則としてこれを禁止し、右議員等となったときは当然に職員たる地位を失うこととしたからといって、それがただちに労基法七条の趣旨に反し、あるいは国鉄職員の参政権を不当に侵害することになるということはできないし、また、国鉄法と、日本専売公社法ないし日本電信電話公社法との間で、職員の議員兼職に関する規制の仕方に差異があることも、その業務内容、職員の勤務形態等の相違に鑑みれば、立法裁量上著しく合理性を欠くとはいい難いから、国鉄法二六条二項の解釈に関する前記結論を左右するものではない。