全 情 報

ID番号 04116
事件名 乗務員登録取消処分効力停止、配転の効力停止各仮処分申請事件
いわゆる事件名 宮園タクシー事件
争点
事案概要  予約客の待機中、遠距離輸送の客を乗車させたとして会社がなしたタクシー運転手に対する乗務停止処分の効力が争われた事例。
参照法条 労働基準法89条1項9号
体系項目 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒事由 / 業務命令拒否・違反
裁判年月日 1985年6月3日
裁判所名 東京地
裁判形式 判決
事件番号 昭和59年 (ヨ) 2310 
昭和59年 (ヨ) 2311 
裁判結果 却下
出典 労働判例456号62頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒事由-業務命令拒否・違反〕
 以上のとおり、債権者は、予約客でない別の客をそれと認識したうえで乗車させ、かつ、他の車両の無線番号を冒用して虚偽の通信を行ったものと認めることができる。そして、右の第一の点は、その結果として本来の予約客が乗車できなくなることを容認していたと認められるので、その予約客の乗車の拒否に当たるものということができる。
 ところが、前掲疎甲第三号証によれば、東京無線タクシー運営規定は、乗車拒否や虚偽通信は同規定に違反する行為であると定めており、また、成立に争いがない同第四号証によれば、債務者会社の就業規則は、その六四条で、従業員に東京無線タクシー運営規定に違反する行為があり本条による懲戒が妥当と認められたとき(一二号)は、減給、昇給停止、乗務停止又は出勤停止とすると定め、その六二条で、乗務停止は始末書を取り一定期間乗務を停止し、再教育を受けさせ、あるいは指示した他の業務に従事させる(五号)と定めていることが認められる。
 そうすると、債権者の行為は右の六四条一二号に該当する行為であり、その無線車乗務員としての行為態様等を考慮すれば、債務者会社がこれに対し乗務を停止し内勤を命ずる処分をしたことは、相当なものとして是認することができる(なお、債務者会社の主張3の債権者の過去の勤務状況については、関係証拠によっても、その具体的内容や非難すべき程度は必ずしも明らかでないが、この点を除いても、乗務停止処分は相当なものと考えられる)。