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ID番号 04193
事件名 解雇無効確認請求事件
いわゆる事件名 読売新聞社事件
争点
事案概要  「解雇問題に関して紛争並に迷惑を及ぼすような行為を行わない」旨を使用者に約して退職金を受取った場合につき、被解雇者は「不起訴の合意」をしたとして、解雇無効の訴えが却下された事例。
参照法条 労働基準法2章
体系項目 解雇(民事) / 解雇の承認・失効
裁判年月日 1970年6月30日
裁判所名 東京地
裁判形式 判決
事件番号 昭和33年 (ワ) 1287 
裁判結果 却下
出典 タイムズ259号184頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔解雇-解雇の承認・失効〕
 〈証拠〉をあわせると、前記交渉の結果、前記「反対同盟」側代表三名は、被告会社側の態度からみて、とうてい本件解雇を撤回させ復職することはできないと考え、解雇撤回闘争を断念し、ここに本件解雇に伴なう一切の紛争を終了させ、将来も被告会社と紛争を起さない旨約することにより、退職金等を増額させその支給を受けて前記のような生活の窮状を打開するのもやむをえないと考えて本件覚書を締結したことが認められ、右認定に反する各証拠は採用しない。この事実と「反対同盟」の構成員全員は、前記のように、右覚書に基づき、昭和二六年四月二六日までに抗告および告訴をすべて取り下げたうえ、同月二七日には被告会社から右覚書に基づく退職金等の金員を受領したこと、しかも、当事者間に争いのない右覚書の内容は別紙(一)のとおりであるところ、その第六項は「反対同盟は『Y会社不当解雇反対同盟』を解散し今後会社に対しこの問題に関して紛争並びに迷惑を及ぼすような行為を行わないことを誓約する」ということにあることをあわせると、右覚書が少なくとも右解雇に関しては今後裁判上争わない旨の不起訴の合意を含み、遅くとも前記抗告および告訴の取下げならびに退職金等の授受完了と同時にその効力を生じたものと認めるのが相当である。