全 情 報

ID番号 04392
事件名 地位保全仮処分申請事件
いわゆる事件名 国際タクシー事件
争点
事案概要  労働者の懲戒解雇につき就業規則所定の懲戒委員会に諮らずになされた諭旨解雇の効力が争われた事例。
参照法条 労働基準法89条1項9号
体系項目 懲戒・懲戒解雇 / 懲戒手続
裁判年月日 1966年10月20日
裁判所名 東京地
裁判形式 判決
事件番号 昭和39年 (ヨ) 2133 
裁判結果
出典 タイムズ198号179頁
審級関係 控訴審/04230/東京高/昭44. 2.26/昭和41年(ネ)2467号
評釈論文
判決理由 〔懲戒・懲戒解雇-懲戒手続〕
 諭旨解雇は同規則七二条一項所定の懲戒解雇事由が存する場合に行なわれるものであり、まして同規則七〇条、七一条に規定されている解雇以外の懲戒処分、すなわち譴責ならびに出動停止および減給、降等に比して従業員に、より大きな不利益を与えるものであることが明らかである以上、懲戒処分の一つと解するのが相当であるから、組合員を諭旨解雇にするには、やはり懲戒委員会の諮問を経るを要するものという外はない。しかるに、申請人が組合員であることは当事者間に争いがなく、申請人に対する本件解雇につき懲戒委員会の諮問を経たことの疎明はないから、右解雇は手続上、就業規則に違反したものといわなければならない。
 2 しかしながら、会社の定める懲戒委員会の制度は、会社の懲戒処分が恣意、独断に流れず、公正、妥当に行なわれることを期するため、組合員の利益を擁護する組合と意見を交換、討議する機関を設けたものと解されるにしても、前出就業規則上、会社が懲戒委員会の答申に拘束される旨の規定は見当らないので、懲戒委員会も結局、会社の諮問機関にすぎず従って、また特別の規定がない以上、その議を経ることをもって懲戒処分の有効要件とする趣旨には解し得ないから、本件解雇が手続上、就業規則に違反したからといって、それだけで直ちにこれを無効とすべきいわれはなく、たかだか解雇権の濫用もしくは不当労働行為の成否の判定上、一つの目安となる場合があり得るにすぎないのである。