全 情 報

ID番号 04841
事件名 仮処分申請事件
いわゆる事件名 神戸全但タクシー事件
争点
事案概要  勤務中の飲酒等を理由とするタクシー運転手に対する解雇につき、決定的動機は同人の積極的な組合活動にあるとして無効とされた事例。
参照法条 労働基準法2章
労働組合法7条
体系項目 解雇(民事) / 解雇事由 / 勤務成績不良・勤務態度
裁判年月日 1961年10月19日
裁判所名 大阪地
裁判形式 判決
事件番号 昭和35年 (ヨ) 1135 
裁判結果 一部認容,一部棄却
出典 労働民例集12巻5号917頁
審級関係
評釈論文 飯倉一郎・労働経済旬報504号24頁/紋谷暢男・ジュリスト269号98頁
判決理由 〔解雇-解雇事由-勤務成績不良・勤務態度〕
 そして前記(一)(二)に説示した各事実、すなわち申請人がA労組の結成並びに結成後の組合活動を最も積極的に推進した一人であること、Aの幹部が申請人の右組合活動を嫌悪していたこと、BはAの姉妹会社(代表取締役同一人)にして同会社幹部も申請人のA当時における積極的な組合活動を知悉、嫌悪し同時に申請人がBにおいても将来同様に組合活動を行うかも知れないと恐れていたこと、申請人の行為が就業規則所定の解雇事由に一応該当するとしても事前に何等の注意も与えずに解雇したこと、申請人と共に飲酒した運転手等が取りたてて処分もうけていない事実、本件解雇に際し会社(B)が申請人に対し昭和三五年三月一五日交付した解雇通知に記載した解雇理由とその後同年三月二三日送付した解雇理由を説明した書面に記載されたそれとは同一ではなく(このことは争いない)、したがつて解雇理由が一貫していないこと等をかれこれ綜合すると、会社(B)が申請人を就業規則に違反するとして解雇するに至つた決定的な動機は、申請人の過去におけるAでの積極的な組合活動を嫌悪し同人の将来におけるBでの組合活動を未然に阻止せんと意図したことにあると認めるのが相当である。