全 情 報

ID番号 05306
事件名 仮処分異議申立事件
いわゆる事件名 別子鉱業事件
争点
事案概要  整理解雇基準としての「技能能率の低いもの」、「協調性に欠ける者」に該当するとしてなされた解雇が有効とされた事例。
参照法条 労働基準法2章
民法1条2項
民法1条3項
体系項目 解雇(民事) / 整理解雇 / 整理解雇基準・被解雇者選定の合理性
裁判年月日 1951年2月23日
裁判所名 東京地
裁判形式 判決
事件番号 昭和25年 (モ) 1935 
裁判結果 申請却下
出典 労働民例集2巻2号143頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔解雇-整理解雇-整理解雇基準〕
 申請人主張の事実中訴外A鉱業が申請人主張の如き内容の会社であつて、その従業員の組織する申請人主張のような各労働組合が存すること、申請人が申請人主張の各日時に入社し組合役員となり、更に調査役補に任ぜられたこと、申請人主張の日時に申請人主張の理由によつて申請人に対し解雇の意思表示がなされたこと、本件解雇後被申請人会社が設立せられ、A鉱業の金属部門に於ける一切の法律関係を承継したことについてはいずれも当事者間に争がない。
 申請人は本件解雇はその実申請人が前記の如く組合役員として組合活動をしたことを理由とするものであると主張するが申請人側からはこの点に付何等の疎明をせず、A鉱業が本件解雇をなすに至つた決定的理由が申請人の組合活動にあると認めるに足る証拠は存しない。なお申請人はA鉱業が申請人を非組合員である調査役補に任命しその後通常業務に復帰させることを承認しながら数ケ月を経ずして解雇の挙に出たのは信義則に違反すると主張するが証人B、同C、同Dの各証言によればA鉱業は被申請人の主張するような理由で本件解雇を行つたことが一応認められ申請人は之に反する何等の疎明をしない。従つて仮に申請人主張のような事実があつたとしてもこれだけの事実で信義則に違反した無効の解雇であるとはいえない。