全 情 報

ID番号 06288
事件名 地位確認等請求事件
いわゆる事件名 小金井市事件
争点
事案概要  施設警備の職務から清掃の職務へ配置換えされた市職員が右配置換えの効力を争った事例。
参照法条 地方公務員法3章
労働基準法2章
体系項目 配転・出向・転籍・派遣 / 配転命令の根拠
裁判年月日 1994年6月29日
裁判所名 東京地
裁判形式 判決
事件番号 昭和59年 (行ウ) 167 
裁判結果 棄却
出典 労経速報1536号12頁/労働判例665号54頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔配転・出向・転籍・派遣-配転命令の根拠〕
 以上認定したところによると、原告は、組合の一員ではあったものの、第二次警備制度改革に関してはいわゆる主流派に反対の立場に立ち、試案を提示するなどして積極的な活動を展開しており、また、原告の希望が容れられないで本件配置換が行われたというのである。しかし、他方、本件配置換は、被告と組合との間で合意された第二次警備制度改革に伴う警備員数の見直しの一環として、剰員となった施設警備員九名を他の職種に配置換する必要が生じたことから行われたものであり、この際、無断欠勤など従前の原告の勤務状況から原告は単独勤務態勢である施設警備員には不適当であり、また、他の技能職に配置換するにしても、右の理由から代替勤務要員の確保に配慮が必要な学校用務に配置換するのは不適当であって、残る土木作業と清掃作業のうち、原告の年齢、肉体的な条件等を勘案して清掃作業に配置換するのが相当であると判断したというのである。
 そうすると、本件配置換には合理的理由があるということができ、本件配置換を含む人事異動案を作成した管財課警備担当主事が、当時組合主流派に属し、同人の上司である同課警備担当主査は組合執行委員長の地位にあった(人証略)ことをもって、右異動案自体が直ちに原告の主張するように差別的意思ないし原告の組合活動を嫌悪したことによる不当なものであったということはできず、本件配置換の合理性を疑わせることにはならないというべきである。
 そして、他に本件配置換が原告らの主張するような差別的意思あるいは不当労働行為意思によることを認めるに足りる証拠はないから、この点に関する原告の主張も理由がない。