全 情 報

ID番号 06426
事件名 解雇無効確認等請求事件
いわゆる事件名 高千穂化学工業事件
争点
事案概要  勤務成績不良、上司への反抗的態度を理由とする解雇が有効とされた事例。
参照法条 労働基準法2章
民法1条3項
体系項目 解雇(民事) / 解雇事由 / 業務命令違反
裁判年月日 1994年12月19日
裁判所名 東京地
裁判形式 判決
事件番号 昭和63年 (ワ) 4538 
裁判結果 棄却
出典 労経速報1553号24頁/労働判例669号20頁
審級関係
評釈論文
判決理由 〔解雇-解雇事由-業務命令違反〕
 一 本件解雇事由の有無について
 証拠(〈人証略〉)によると、被告の主張する本件解雇事由の存在と原告に対し町田工場において勤務するように直接伝えたのは総務課長Aであるが、これに対し原告は、本社で採用されたのであるから町田工場に行く必要はないと述べたこと、就業規則九条は「従業員が次の各号一に該当するときは三〇日前に予告するかまたは三〇日分の平均賃金を支給し即時解雇する。」と定め、そして、同条一号には「遅刻、早退、欠勤、しばしばにして注意または戒告を与えるもこれを改めないとき」と、同条五号には「他の従業員に著しく悪影響をおよぼす者」と各定めていることが認められる。
 二 本件解雇の効力について
 前記認定の本件解雇事由は就業規則九条一号及び五号に該当するということができる。
 そうすると、本件解雇は、これが権限を濫用してなされた等の無効事由が存しない限り有効ということができる。
 ところで、原告が渋谷労働基準監督署に対し原告の主張するような申入れをし、同署係官が昭和六一年四月ころ原告の職場において原告の訴えるような事実があるか否かを調査したが、そのような事実を認めることができなかったことは(人証略)の証言により認めることができる。
 しかし、被告が原告が右申入れをなしたことを嫌悪して本件解雇をなしたことを認めるに足りる証拠はなく、また、原告の健康状態が原告の主張するような状態であったこと及び他に本件解雇を無効とすべき事情も認められない。