全 情 報

ID番号 07383
事件名 転勤命令無効確認、損害賠償請求上告事件
いわゆる事件名 帝国臓器製薬(単身赴任)事件
争点
事案概要  製薬会社に勤務するX(上告人)が、東京営業所から名古屋営業所に転勤を命じられ、妻及び三人の子供と別居せざるを得なくなったことを違法であるとして、右転勤命令の無効確認と、単身赴任を強いられたことによる損害賠償を求めたケースで、右転勤命令は業務上の必要性に基づくものであり、それによる不利益は社会通念上甘受すべき程度を著しく超えるとはいえず、権利の濫用に当たらないとして棄却した原審判断が正当として維持された事例。
参照法条 労働基準法2章
体系項目 配転・出向・転籍・派遣 / 配転命令の根拠
裁判年月日 1999年9月17日
裁判所名 最高二小
裁判形式 判決
事件番号 平成8年 (オ) 1948 
裁判結果 棄却(確定)
出典 労働判例768号16頁/労経速報1720号26頁
審級関係 控訴審/06813/東京高/平 8. 5.29/平成5年(ネ)4034号
評釈論文
判決理由 〔配転・出向・転籍・派遣-配転命令の根拠〕
 右事実関係の下においては、上告人Xに対し被上告人の東京第一営業所医薬第四課から名古屋営業所医薬第二課への転勤を命ずる本件転勤命令が、業務上の必要性に基づくものであって、不当な動機、目的をもってされたものではなく、上告人らの被る経済的、社会的、精神的不利益が社会通念上甘受すべき程度を著しく超えるものということはできないなどとして、本件転勤命令は違法なものとはいえず、これをもって債務不履行又は不法行為に当たるとはいえないとした原審の判断は、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。