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ID番号 : 08491
事件名 :
いわゆる事件名 : ビル代行事件
争点 : ビルメンテナンス会社の元警備員らが仮眠時間の時間外割増賃金を請求した事案(元労働者敗訴)
事案概要 : ビルメンテナンス会社の元警備員らが、仮眠時間は労働時間に当たるとして、時間外割増賃金を請求した事案である。
 第一審の東京地裁は、仮眠時間は労働時間に該当するとして請求を一部認め、被告会社は控訴した。
 控訴審の東京高裁は、不活動仮眠時間であっても労働からの解放が保障されていない場合には使用者の指揮命令下にあるといえるが、実作業に従事する必要が生じることが皆無に等しいなど実質的に役務提供の義務付けがなされていない場合には労働時間には当たらないとした上で、本件仮眠時間は労基法32条の労働時間には当たらないと判断し、請求を棄却した。元警備員らは上告。
 上告審の最高裁第三小法廷は、民事事件において最高裁判所に上告することを許されるのは、民訴法312条1項又は2項所定の場合に限られており、上告人は本件上告の理由を民訴法312条の理由の不備・食い違いとしているが、実質は事実誤認をいっており、上告自体を受理できないとして、棄却した。この決定により本件は控訴審判決の内容が確定した。
参照法条 : 民事訴訟法312条
民事訴訟法318条
労働基準法32条
体系項目 : 労働時間(民事)/労働時間の概念/仮眠時間
裁判年月日 : 2006年6月13日
裁判所名 : 最高三小
裁判形式 : 決定
事件番号 : 平成17(オ)1646
裁判結果 : 棄却(確定)
出典 : 労経速報1948号12頁
審級関係 : 控訴審/08421/東京高/平17. 7.20/平成17年(ネ)1425号
一審/08387/東京地/平17. 2.25/平成15年(ワ)23101号
評釈論文 :
判決理由 : 〔労働時間-労働時間の概念-仮眠時間〕
 1 上告について
 民事事件について最高裁判所に上告をすることが許されるのは、民訴法三一二条一項又は二項所定の場合に限られるところ、本件上告理由は、理由の不備・食違いをいうが、その実質は事実誤認を主張するものであって、明らかに上記各項に規定する事由に該当しない。
 2 上告受理申立てについて
 本件申立ての理由によれば、本件は、民訴法三一八条一項により受理すべきものとは認められない。