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ID番号 09282
事件名 割増賃金等請求控訴事件
いわゆる事件名 企業組合ワーカーズ・コレクティブ轍・東村山事件
争点 労働者性
事案概要 (1) 本件は、一般貨物自動車運送事業等を目的として設立された企業組合である被控訴人Y(企業組合ワーカーズ・コレクティブ轍・東村山)のもとで、荷物配達業務に従事していた控訴人Xが、Yに対し、自らは労働者であると主張して、労働基準法37条1項に基づき未払割増賃金等の支払を求める事案である。なお、Xは、出資金5万円を払い込んで、被告の「メンバー」と呼称される地位(組合員)にある。
(2) 原判決は、Xは労基法9条の定める「労働者」には該当しないから、労基法37条1項は適用されず、同条に基づく時間外労働割増賃金支払請求権は成立する余地がないとして、Xの請求を全部棄却した。そこで、Xが、これを不服として控訴したが、裁判所はこの訴えを棄却した。
参照法条 労働基準法9条
労働基準法37条
体系項目 労基法の基本原則 (民事)/労働者/(16) 共同経営者
賃金(民事)/割増賃金/(4) 支払い義務
裁判年月日 令和1年6月4日
裁判所名 東京高
裁判形式 判決
事件番号 平成30年(ネ)4753号
裁判結果 棄却
出典 労働判例1207号38頁
審級関係 上告受理申し立て(令和1年12月12日上告不受理)
評釈論文
判決理由 〔労基法の基本原則 (民事)/労働者/(16) 共同経営者〕
(1)当裁判所も、控訴人Xは「労働者」(労基法9条)に該当せず、同法37条1項は適用されないから、同条に基づく時間外労働割増賃金支払請求権が成立する余地はなく、Xの請求はいずれも理由がないと判断する。