全 情 報

ID番号 10012
事件名
いわゆる事件名 名古屋南部青果事件
争点
事案概要  一五歳の者を深夜労働に使用したとして青果業者等が起訴された事例。
参照法条 労働基準法61条1項
労働基準法119条1号
体系項目 年少者(刑事) / 未成年者の深夜労働
裁判年月日 1976年3月29日
裁判所名 名古屋高
裁判形式 判決
事件番号 昭和50年 (う) 517 
裁判結果 有罪
出典 刑裁月報8巻3号92頁
審級関係 一審/名古屋家/昭50.11.17/不明
評釈論文
判決理由 〔年少者-未成年者の深夜労働〕
 よつて検討するに、原判決が、原判示第二の事実が各児童ごとに包括して一個の労働基準法六二条一項違反の罪に該当する旨判示していること、しかし使用者が同条に違反して、多数日にわたり多数の年少または女子労働者を深夜業に使用した場合には、特段の事情ある場合を除き、その使用日ごとに各就業者各個人別に独立して同条違反の罪が成立すると解すべきであり、これらを包括して一罪が成立するものでないこと所論のとおりである。しかも記録によると、被告人Yが副社長をしている被告会社は、名古屋市熱田区(略)に本店並びに事業所を設け、蔬菜や果物等の受託販売等を営んでいる会社であるが、本件当時荷受部門に欠員があり、年末を控え人手不足で困つていたため、臨時労務者で急場をしのぐこととし、昭和四九年一二月二四日午前一一時頃同社を訪れて就労を申出た中学生五名のうち、原判示A、同Bの両名と、ついで同日午後〇時頃同社を訪れて就労を申出た原判示C、同Dの両名とを、いずれも同日から同月三〇日までの毎日午後六時から翌日の午前六時まで、その間当日午後八時から翌日午前〇時までか、翌日午前〇時から午前四時までのどちらかの休憩時間四時間を除き、右事業所で荷受作業に使用する目的で雇入れて原判示どおり使用したことが認められるけれども、これらの事情だけでは未だ各児童ごとに原判示第二の深夜業を包括して一個の労働基準法六二条一項違反の罪と認めるべき特段の事情ということはできず、他にそのような事情を認めるに足る証拠もない。